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紙
通常習字のお稽古をしている時に
紙にこだわる人はどれくらいいるでしょうか。
大半の人は「書ければ良い」というくらいの認識ではないかと思います。
でもこだわるとそれはそれはこだわってしまうところでもあります。
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そもそも半紙というのは、
江戸時代に使われていた公用紙を半分に切った大きさなので
「半紙」なんですが、
公用紙のほうが廃れてしまったので何が「半紙」なのか
今となってはよく分からないですよね。
で、しかも「江戸時代の公用紙」ってことで
半紙のサイズは日本独特のものです。
「習字といえば半紙」ってくらい日本では有名なのに
他ではまったく使われないって不思議な話ですよね。
そして、地方によって、半紙のサイズはちょっとずつ違います。
名前だけは確立してあるのに、サイズ曖昧って何ー!
って感じです。日本人らしいとも思います。
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その他の紙の大きさも、実はかなり種類が多いです。
そして大きさだけではなく、質もかなり種類が多いです。
今回は大きさについては半紙に特化して紙の質について書いていこうと思います。
紙については見た目で分かりやすいので
鑑賞という観点とはまた違ってしまいますが
書について考える一つの切り口としてみていただけたらと思います。
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安い半紙を買ったとき、
わりと薄くて、つるつるしていませんか。
そして意外と水をはじくことに気が付くと思います。
仮名用の半紙や料紙はまたちょっと違うのですが、
濃墨で書く時の良い紙、と言われるものは、
筆の先にとっかかりがある紙である場合が多いです。
それは、後で出てきますが書において線質がとても大切だからです。
強い線と太い線は違います。
強い線と速い線も違います。
強い線というのは、太さに関係なくキリッとした線を言います。
例えば光明皇后の楽毅論みたいな感じです。
紙の上をひっかくようにガリガリ書いて見えます。
サラッとしてつるつるした紙では
紙の上をひっかくような強い線はなかなか引けません。
もちろん全く書けないというわけではありませんが
もし初めて強い線を引こうとする場合には
強い線の概念を理解することがとても難しくなると感じます。
強い線は筆先に力を入れて書きます。
軸を持って書きながらも、意識は筆先にある感覚です。
筆の先に力を入れるとき、紙に対して筆先に圧力をかけます。
筆先1㎝しか紙についていなくても、左手を使わなければ下敷きが動いてしまうくらい
筆には力が入ります。
力を入れるために、紙はとても大切な役割を果たします。
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ただ、紙の質はけっこう好みもあるんですよね。
これは、サラッとした墨が好きかドロッとした濃墨が好きかで違います。
要するに、墨が紙にどれくらい吸い取られるかという点です。
例えばドロッとした濃墨をめちゃくちゃ墨を吸う半紙で書こうとしたら、
ちょっと線を引いただけでカッサカサになっちゃいますよね?
カッサカサが好きとか、そういう効果を狙っているのならそれもアリでしょうが
普段練習するにはそれはちょっとやりづらいと思うんです。
だから、好きな墨と紙の組み合わせを自分なりに試してみるのをお勧めします。
組み合わせによっては滲みたい放題で全然うまくいかないこともあるでしょうし
逆に思いがけず好みの組み合わせが見つかるかもしれません。
値段が高けりゃいいってわけでもないと思いますが
高いには高いなりの理由があるな、とも思います。(私見です)
>>続き『【書の鑑賞】紙の白と墨の黒、そして印影の朱③』