さいごに
書写にしても、書道にしても、
「必ずこれこそが正義!」という形が決められているわけではありません。
したがって、自分の感性や好みによるところも多くあります。
書写用のお手本を書いている時は
なるべくマイナスポイントがないように、
癖が強く出ないように気を付けて書きますが
自分の作品として仕上げる場合には
自分なりのリズムや癖があって当然だし、
その中にある美しさを大切にしてほしいと思います。
筆遣いについてだけは、
特に線の出し方等練習をしなくては出ない部分が多いので
そこには日ごろの練習がダイレクトに出ます。
ただ勢いがあるだけの線や
形にばかりとらわれてしまった線と
筆と自分が一体化して書いた線の間には
天と地ほどの差があります。
何をどう見て良いかわからない時には、
白い紙の中にある黒の部分がとても素敵だとか、
このかすれ方にはなんだか魅力を感じるといった
文字出ない部分にも注目してみると楽しくなると思います。
書の善し悪しが人それぞれであるように、
観る側だって人それぞれ、
それぞれが楽しめたらそれが一番だと思います。
皆様の書道の鑑賞がより充実したものになりますように。