愛媛県護国神社「挺身」石碑(昭和52年)

愛媛県護国神社は、

松山市御幸にある神社です。

愛媛大学や松山大学が近くにあり、

お正月にはたくさんの方が初詣に来るそうです。

この神社の入り口から北西方向には、

第二次世界大戦の慰霊碑がたくさんあります。

その中のひとつ、

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「殉職女子挺身隊員慰霊之碑」を

沢田大暁が揮毫しています。

昭和60年発刊の『沢田大暁作品集』の中では

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↑こんな感じの写真が掲載されていました。

現在の様子を観に行くと、

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まったく変わらない姿でそこにありました。

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沢田大暁は大正4年生まれでしたので

終戦時にはすでに成人していました。

昭和10年から教師の道を歩んできていたということは、

きっと多くの教え子の死にも遭ってきたことと思います。

自分よりも若く未来のある教え子たちを見送る気持ちがいかなるものだったのか

私には想像もできません。

今日生きて元気に笑っていた子が

明日にはもうこの世にいないかもしれない生活は、

どこの誰にも起こってほしくないことです。

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碑の裏側には碑文が記されていたのですが、

こちらは文字が薄く読みづらくなっていました。

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そのため、碑文の内容を下に書いておきます。

碑文

殉職者
竹内和栄 武替悦子 渡部節子

太平洋戦争激化の昭和19年県立松山高等女学校卒業と同時に祖国の危急に応じて女子挺身隊員となり呉海軍工廠に赴き電気部三次電池工場に勤務中終戦を三ヶ月程に控えた昭和20年6月22日米機B29の爆撃を受け殉職された三柱の霊を慰め併せてこれら乙女達が身命をかけてかち得た国の平和が永遠に続く事を願ってこの碑を建てる

昭和52年12月
愛媛県立松山高等女学校
42期生

題字 澤田大暁

 

(※2022/9/9追記)

全く変わらない姿でここにある、ということは

誰かが掃除してくれているのだろうとは思っていました。

たまたま松山南高校のホームページで見つけましたので

こちらにリンクを貼っておきます↓↓

松山南高校の「挺身」清掃の記事をひらく

年に一度、松山高等女学校を母体とする現在の松山南高校家庭クラブが

清掃してくださっているようです。

ありがとうございます!

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宝塔寺の扁額

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松山市朝日ヶ丘に「宝塔寺」というお寺があります。

昭和60年発刊の「沢田大暁作品集」には

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↑こんな風に掲載されていたので、

今どうなっているかなと観に行きました。

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本堂前の様子です。本堂前に扁額が掲げてあるのが見えます。

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2022年3月現在、扁額は↑こんな感じでした。

昭和60年に写真を撮影したとして、

もう37年になりますものね。

写真よりずいぶん薄くなっていました。

長い間使い続けて下さっていることが嬉しいです。

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さて、そしてここになぜ扁額があるのかといいますと、

この宝塔寺にはこの方のお墓があるのです↓

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ちなみに、東京台東区の梅林寺にもお墓があります。

梅林寺の方はお墓だけで、中のお骨は移動されて枚方にあると

梅林寺のホームページに書いてありました。

宝塔寺に碧梧桐のお墓があることは知っていたのですが、

宝塔寺自体がとても広くてどこにあるか分からず結構迷いました。

そうしたらたまたまお二人連れの俳人の女性が通りかかり、

たまたま碧梧桐のお墓へ行くところだと仰っていたので、

ありがたく後ろからついていかせていただきました。

これは本当にラッキーでした。

とても広かったので一人だったら諦めていたかもしれません。

お二人にはただただ感謝しています。

ありがとうございました。

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さて、ところでこの墓標は碧梧桐自らが書いたものです。

亀田小蛄『子規時代の人々』(昭和42年 俳誌 うぐいす社)によれば、

『因に墓銘の事で一言する。梅林寺のもここ(注-宝塔寺墓苑)のも先生御自署の「碧梧桐墓」であるが、この墓銘はこの地(松山)の先生の侍者だった故藤田杉晩君が生前来松中の先生に「先生私の墓銘を書いて置いて下さい」というのを引取って「イヤ君は若い、僕のを書いて置こう」と即座揮毫されたもの是(これ)であった。』

とあります。

実際の墓銘と同じくらいのサイズで書かれていたとどこかで読んだ記憶があるのですが

いったいどこだったのか今思い出せません。

蛇足ですが、

親友だった高浜虚子の碧梧桐追悼句。

「碧梧桐とはよく親しみよく争ひたり」の詞書で、

たとふれば 独楽のはぢける 如くなり

(高浜虚子『虚子五句集(上)』岩波文庫(1996年9月)より)

という句があります。

松山東高校に寄贈してある沢田大暁の作品の中で

「獨楽」という作品が二つあるのは

きっとここからきているんだろうと思います。

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愛光学園生誕地の石碑(1978(昭和53)年3月)

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草創期に入学された方はご存知でしょうが

愛光学園が開校した当初、

校舎があったのは今の衣山ではありませんでした。

でも、今でも生誕地には、

沢田大暁が揮毫した石碑が建っています。

さてここはどこでしょうか??

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ここは宮田町のフジグラン松山です。

北東の角に、この石碑はあります。

初代校長の田中忠夫先生と親交があつた祖父は、

田中先生からたびたび依頼されたようです。

だいたいいつも家にやってきて、

一筆お願いします、ということになるようでした。

ここは昭和61年のリレーマラソンの出発地にもなりました。

リレーマラソンについては祖父のまた別の揮毫があるため

別に分けて書く予定です。

これについては調べ始めてから初めて知ったのですが、

いかにも愛光生らしい面白い企画でワクワクしました。

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愛光学園二期生『にぎわい』リレーマラソン(1986(昭和61)年10月)、(『習字』1986(昭和61)年12月号)

愛光学園内『日野荘氏 顕彰碑』(昭和53年3月)

愛光学園正門

松山大学正門の文字

松山大学正門の「学校法人 松山大学」という文字も

沢田大暁が揮毫しております。

下の画像は、

日経新聞に広告を掲出した際のものだそうです。

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これは、もともと松山商科大学だった時から

正門の文字を沢田大暁が揮毫しておりましたので

学校名が変わるタイミングでまた新たに書き直したものです。

もともとの写真も残っておりましたので掲載しておきます。

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現在の名称に大学名が変更になるタイミングで

新聞記事なども掲載されていたと

松山大学様にご協力頂いて記事を頂けましたので

そちらも掲載しておきます。

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日頃はあまり正門や図書館の文字をじっくり観るようなことはないかもしれませんが

もし近くを通る機会がある時には

観て頂けると嬉しいです。

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松山大学『三恩人』の胸像(1963(昭和38)年8月)

松山大学御幸キャンパス(1985(昭和60)年)

松山大学御幸キャンパス『彰廉館』門標(1997(平成9)年3月)

『習字』 昭和27年5月号

昭和27年5月号

昭和27年4月号(創刊号)から、

当時東京学芸大学助教授だった伊東参州先生の

「新日本書道史」の連載が始まります。

こちらは5月号の写真です。

記事の内容は、その2年前に発行された伊東先生の同名の著書の転載なのですが、

先生から許可を頂いての連載となりました。

(創刊号の裏の編集後記の欄にそのような記述がありました。)

こういった書の歴史だけにとどまらず、

真鍋士鴻先生と沢田大暁による誌上講座もありました。

ただお手本が掲載されているだけでなく

学術的にも勉強ができ、

また読み物としても面白い雑誌として

習字誌はスタートしました。

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墨36号(1982年5月号)特集:虚子と碧梧桐

1982年(昭和57年)の墨36号に、

8ページにわたって高浜虚子と河東碧梧桐について

執筆させていただいています。

この頃の日記には、校正を郵送でやり取りしている様子が書かれてあり、

こちらからは毎回速達で送っていることが伺えます。

こういった研究では毎回全国を車で飛び回って作品の写真を撮り、

こまめに整理してはまとめていたようです。

退職していたとはいえ忙しかったはずなのに、

時間というのは捻出すればあるものなんだなと

改めて私もちゃんと生きようと思いました。

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講師募集ページを作成いたしました。

※クリックするとページにとびます

これまでページを作成しておりませんでしたが、

講師募集ページを作成することにいたしました。

周りに教えて欲しいと言われたけれどどうしていいか分からない、

せっかくのスキルを活かしたいがどうしていいか分からない、など

なんでも相談していただけたらと思います。

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お手元に2月号が届いておりますでしょうか??

昇段昇級試験結果はいかがでしたか?

良かった人も、悪かった人も、お疲れさまでした。

字の崩し方や書き方を勉強するきっかけとしても使っていただけたらと思っています。

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