ついにこの著書を出す時が来ました。
東京堂出版から刊行された『河東碧梧桐―俳句と書―』です。
この本は沢田大暁の代表作ですよね。
この中には、長年大暁が集めた碧梧桐の作品の写真が
二百点以上、本当にたくさん収められています。
私が県外出身の初めてお会いした方から
「僕の卒論は碧梧桐だったので、この本には本当にお世話になりました」と
声をかけられたのも『河東碧梧桐―俳句と書―』でした。
出版しないかという話を最初に頂いたのは、
1978(昭和53)年8月のことでした。
筒井茂徳先生からお電話にて話を受けたと書いてありました。
そこから四年の月日を経て、出版に至ることになったようです。
(話を受けてから出版するまでの間のことについてはまだ調査が半ばなので、
分かり次第追記いたします。)
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この中に入っている写真を一つ一つ自ら撮影しに行ったというのが
なによりすごい点です。
碧梧桐は1906(明治39)年に全国俳句行脚をしているらしく
作品は愛媛県内だけでなく全国にあります。
それらを一つ一つ撮影しに行ってまとめたことは
現代の碧梧桐研究の財産であると思っています。
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そもそも碧梧桐は1937(昭和12)年までご存命でしたので、
亡くなった時大暁はすでに22歳でした。
つまり、現在の感覚では碧梧桐は当然研究対象となりますが、
その当時『研究対象』というほど過去の人物ではなかったかもしれないと思っています。
(姪御さんがご存命であったという点からも推察されます)
よくそこで残そうと思い立ってフットワーク軽く集めたものです。
自分が見たかったから、ということもあるかもしれませんけれど。
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そうして出来上がったこの『河東碧梧桐―俳句と書―』ですので
現代の、そして未来の碧梧桐研究においても
お役に立ってくれれば良いなと思っています。
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※2022/6/5追記
作品集に載っていた愛媛新聞(昭和57年1月21日)の記事を調べてきましたので
こちらでご紹介します。
『沢田大暁の足跡』のページの写真とポーズは同じですが、
後ろにある碧梧桐のお軸の内容が違うようです。
なんかほぼ同じに見えるんですけどね笑