【失われたシリーズ⑥】中山高校へ寄贈「凌雲」(1977(昭和52)年)

ここに一枚の写真があります。

旧中山高校へ卒業生が寄贈した大暁の作品です。

これは、昭和52年の日記に挟んであった写真です。

おそらくカラー写真だと思うのですが、

色が褪せすぎていてカラーなのかどうか分かりませんね。

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現在、旧中山高校は未来高等学校の中山キャンパスとして利用されています。

この作品がどうなったのかを問い合わせてみたところ、

現在も本館にかかっているというご返答を頂きましたので

ありがたく写真を撮影させて頂くことになりました。

こちらが現在の本館の入り口です。

うっすらと校章と学校名が見えますね。

こちらの詳細については

【失われたシリーズ①】愛媛県立中山高等学校題字(1976(昭和51)年1月)

↑こちらの記事をご参照ください。

この建物に入ってすぐ左手の壁に、作品はかかっていました。

外からはこんなにガラスがカラフルだなんて思っていませんでしたよね。

中から外を見てみるととても明るくきれいでした。

そこに、今もこの作品が飾ってありました。

近寄ると、しっかりプレートに名前もあり、落款も大暁のものです。

どこからどう見ても写真と一致していて、

それだけで嬉しかったです。

この作品はこの寄贈のための作品というわけではなくて

元々は東京での展覧会に出した作品だったそうです。

これからこの作品がどうなるのか分かりませんけれど、

四十年以上ここにずっと飾っていただけたことは

とてもありがたく、嬉しいことだと思います。

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【失われたシリーズ①】愛媛県立中山高等学校題字(1976(昭和51)年1月)

南海放送『サンデー9』(1973(昭和48)年2月25日)

大暁は愛媛県の地元テレビ局南海放送に出演したことがあります。

昭和48年にはまだ家庭用録画機が普及しておらず、
(調べたところベータの登場は1975年、VHSが1976年のようです)

南海放送に問い合わせをしても今はもう保存していないという返答で

諦めておりましたが、

ある方がなんとその時の放送を写真に撮って下さっており、

それを頂くことができました!!

本当にありがとうございました。

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1月22日(月)
南海放送の土居放送部長が訪ずれて来る。
来る2月26日(※原文ママ)の碧梧桐生誕記念日に一時間テレビに出て欲しいとのことで打合せに来る。

実際の放送は25日でしたが、この時日記にはこんな感じで書かれてありました。

ちなみに生放送ではなくて録画放送だったようです。

2月13日(火)
土居南海放送事業部長が来る。
来るサンデーナインに小生が出る件につき打合せがあった。碧梧桐を中心にして其の間に生徒の習字を入れる。

この日記をただ読んでいると「どういう番組??」となりますが、

一時間の長丁場となると

途中で目線を変えるものが必要だったのかなと思います。

2月21日(水)
午前中は俳句の選出に努力した。明日放送する(※原文ママ)碧梧桐の俳句について十句選ぶ。
なかなかむつかしい。時代時代の特徴をつかまないといけないので…

2月22日(木)
南海放送にて録映。
10名の生徒の習字とか作品批評とかが主で碧梧桐は時間が少いので自分としては不満であるが…

時間の配分についてのようですね。

今であれば編集でいろいろ時間の配分は変わる気がします。

当時はどうだったんでしょうね。

2月25日(日)
南海放送サンデーナインに出る。
午前九時から一時間南海放送にてサンディーナインの番組があり、それに小生が碧梧桐(明日が生誕百年)のことと、県下から集めた十名(東中南)の小中学生の画仙紙への書写、県下から集めた習字作品の陳列、小生の批評などを放送する。
よく出来ていたようだ。

ブラウン管のテレビが懐かしいですね。

左から一枚目は、以前ご紹介した

松山東高校内『明教館』にある『六曲屏風』(1951(昭和26)年)

です。

真ん中と右側は大暁の写真です。

番組の様子が分かりますね。

クリックするとちょっとだけ大きくなります。

2023/04/12追記

1枚追加で頂いたのでこちらもご紹介しておきます。

※クリックすると大きくなります

松山北高校に寄贈した『閑吟』の作品のようです。

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松山東高校内『明教館』にある『六曲屏風』(1951(昭和26)年)

松山北高校『閑吟』(1969(昭和44)年7月)

【学生書道展】筆まめチョイスについてnoteにアップしました!

↑弊社マスコットキャラクター「筆まめ小僧」

明日(もう今日)から愛媛県美術館南館で
第70回愛媛県学生書道展が開催されます。
その中で、2年前から始めた企画である
「筆まめチョイス」があるのですが
それがどういうことなのか説明したnoteの記事をアップしました。

創業者澤田大暁の教え子の中に
絵手紙の小池邦夫先生や墨絵イラストレーターの茂本ヒデキチ先生がおられることからも分かるように、
そもそも大暁は複数の評価軸を持って作品を評価することができる人でした。
その理念を受けついで、2年前から始まった「筆まめチョイス」を
御来場の皆様に楽しんでいただけたらと思っています。

そして!選ばれた方は賞品がありますので
受付にぜひ申し出て下さい☆

リンクはこちら↓

https://note.com/aishuken/n/ncea5e8bc9519

【学生書道展】コロナ感染拡大防止対策について

第70回愛媛県学生書道展における感染拡大防止のための対策についてご説明します。

一昨年からと同じく、愛媛県美術館から

 ●一人一人の検温

 ●緊急連絡先の記入(会期後2週間で破棄します)

 ●マスクの着用

 ●会場内での飲食禁止

が義務付けられております。

また、もし体調が悪いようであれば、

御来場はご遠慮くださいますようお願い致します。

ご協力をお願い致します。

第70回愛媛県学生書道展出品を締め切りました

記念展である

第70回愛媛県学生書道展の出品を締めきりました!

みなさま、たくさんのご応募ありがとうございました!!

今年は本当にたくさんの方のご応募があり、

昨年を大幅に超えた出品点数となりました!!

がんばって書いた作品がたくさんで嬉しいです。

ご応募ありがとうございます!

中の人はこれから作品と名前、学年があっているか確認したり、

作品を部門ごと、学年ごとに並べ替えたりして

審査の準備に取り掛かる予定です。

審査の結果は月末までに出品責任者の方にお送りします。

楽しみにお待ちください!

『中島司有書作展』推薦文(1974(昭和49)年1月)

※クリックすると大きくなります

中島司有先生は何度か上野の森美術館で展覧会を開いていました。

この1974年、澤田大暁は作品集に推薦文を寄稿しています。

 

実は家で探したところ別の年の作品集しか見つけられず、

推薦文がどうしても読んでみたかったので

直接中島先生が創設した現代書道研究所に問い合わせをしました。

そうしましたら、現所長の佐伯司朗先生が直接お返事とこの画像をくださいました。

いろいろな方のお世話になっております。

本当にありがとうございます。

 

さて、この作品集の推薦文については、

この個展の2か月前、

11月12日に原稿用紙200字詰5枚にまとめて送ったという日記がありました。

この度ついにその内容をご紹介します。

※クリックすると大きくなります

どうですか。

しょっぱなからの「親友」呼びで驚きましたよね。

「あれ、こんなに近しい感じ?」

と個人的にはびっくりしました。

直接ご存知の方は当たり前なのかもしれないです。

私は面白いなと感心しました。

 

また、戦後すぐから認知していて、

昭和31年からのつながりだったことや、

中島先生が松山市にお住まいだったころに親しくなったことなど、

私の持っている日記の昭和37年よりも前の情報が手に入ったことが

とても有意義でした。

こんな風にまた別の原稿から

日記以前のことが分かる資料が発掘されてほしいと思います。

どこにあるかはまだ分かりませんが楽しみに調査を進めたいと思います。

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中島司有「沢田大暁書作展に思う」(五禾書房『書道』第21巻7号(1975(昭和50)年7月))

五禾書房『書道』より中島司有「沢田大暁書作展に思う」(「習字」1976(昭和51)年9月号)