沢田大暁が長い間愛媛県警の筆跡鑑定をしていたことはご存知でしょうか。
1963(昭和38)年7月1日、13年間鑑識課の筆跡鑑定に協力した功労に対して、
愛媛県警察本部から感謝状が贈られました。
この時は警察本部長から表彰され、
テレビやラジオの地方ニュースでもとりあげられたそうです。
ところでこの新聞記事は図書館のマイクロフィルムから取ってきたものですが、
一行目一番左の段落から大暁のことが掲載されているのに
肝心の部分が白くなってしまってよく読めません。残念です。
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ちなみにこれで鑑識課との仕事が終わったというわけではなく
その後も筆跡鑑定の仕事は続けていたようです。
ただ、極秘情報が多くあまりおおっぴらに人に言えないため
コツコツと鑑定をしていたようです。
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愛媛新聞に掲載されたさらにその翌日、
朝日新聞の地方版にて写真付きで大きく取り上げられています。
こういう筆跡鑑定というのは今はそこまでないかもしれませんが
人の文字をじっくり見てその特徴を捉える、クセを見抜く、という点は
臨書に通じるところがあるなと思います。
こういうことがあるからか、持田の家には本物かどうか見て欲しい、という
骨董好きの方がときどき訪れていました。
そういう時、大暁は一つ一つについて
これは本人、これは偽物、と鑑定していたようです。
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また、この筆跡鑑定はなかなかにストレスも溜まるらしく、
何件かたまると落ち着かない、と書いています。
早くやらないと事件の解決が遠のくような感じがするようです。
そりゃそうだよね、と共感します。
責任が重い仕事ですし、
筆跡鑑定の根拠について裁判所で証人として話すこともあったようですから
被告人の人生を左右することになるかもしれないという
恐怖のような気持もあったのだと思います。