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生活の中に生きる 書
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実はこのホームページの下の方にずーっとリンクはあったんですが、
ほぼ使っていなかったので今改めて告知します。
インスタ始めてました!
良かったらフォローしてくださいね。
中の人が、書道に関することや関係ないことを
マイペースに書いていく予定です。
リンクはこちら↓
来年2月に開催予定の第68回愛媛県学生書道展は
今のところ開催予定です。
会場への入場制限や、表彰式については
コロナ対策として例年とは異なった対応となりますが、
せっかくの年に一度作品を発表する機会ですので
対策をしたうえで開催はしたいと考えております。
募集要項などについてはまた追ってご連絡いたします。
楽しみにお待ちください!😃
さいごに
書写にしても、書道にしても、
「必ずこれこそが正義!」という形が決められているわけではありません。
したがって、自分の感性や好みによるところも多くあります。
書写用のお手本を書いている時は
なるべくマイナスポイントがないように、
癖が強く出ないように気を付けて書きますが
自分の作品として仕上げる場合には
自分なりのリズムや癖があって当然だし、
その中にある美しさを大切にしてほしいと思います。
筆遣いについてだけは、
特に線の出し方等練習をしなくては出ない部分が多いので
そこには日ごろの練習がダイレクトに出ます。
ただ勢いがあるだけの線や
形にばかりとらわれてしまった線と
筆と自分が一体化して書いた線の間には
天と地ほどの差があります。
何をどう見て良いかわからない時には、
白い紙の中にある黒の部分がとても素敵だとか、
このかすれ方にはなんだか魅力を感じるといった
文字出ない部分にも注目してみると楽しくなると思います。
書の善し悪しが人それぞれであるように、
観る側だって人それぞれ、
それぞれが楽しめたらそれが一番だと思います。
皆様の書道の鑑賞がより充実したものになりますように。
2度書き
習字をするとき、
二度書きはあきまへんで~、という話はよく聞きます。
結局何がいけないかっていう話なんですけれども、
私の個人的見解としては、理由は二つあると思っています。
一つは、「そういうもの」という側面です。
ルールというと分かりやすいかもしれません。
例えば、野球をしていてボークになったとします。
ボークってなんでいけないの?と聞かれたら
「ルールだから」ということになるのではないでしょうか。
みんなが同じルールに則って競技を行うからこそ競技として公平性が保たれるのであって
そのルールを軽視するということは競技そのものを軽視することにつながりかねません。
二つ目は、前々回①でお話しした線質です。
書と絵の決定的な違いである「線」を重要視するという点において、
二度書きは絵の具で塗ることと同義となり、どうしても線質が劣ります。
一度で書いた力のこもった線には勝てません。
そうであれば、最初から一度で書けるように鍛錬しておくことが必要です。
ですから、二度書きはいけない、というルールになったのではないかと考えています。
最後の払いの先が綺麗にまとまらなくて「あー塗りたい!」と思う経験は
誰にでもあることです。
やりたい気持ちは経験者ならみんな理解できます。
だからといってやっていいわけじゃないので、
結論、日々の鍛錬が大切だということですね。
かすれ
書写をするときには特に、
かすれをダメだと思う人が多いように感じます。
もちろんただ単に墨の量の調節がうまくいっていないだけの
乾いたかすれはあまり美しくないですよね。
しかし、力のこもった墨量のある線のかすれについては
美しいと感じる線があることも事実だと思います。
で、結局どのあたりが見分けるポイントになるかというと、
筆先の方に墨が残っているかどうか、だと思います。
線を引くとき、力の入った線は、筆先がだいたい線のどちらかの端を通ります。
横画の場合は上側、縦画の場合は左側であることがほとんどです。
その筆先側に墨が残っている線には力があると感じます。
次回どこかで書作品を観る機会があれば確認してみてほしいのですが
筆の腹側だけがかすれている線のかすれからは、
躍動感と空気感、そして立体感を感じるはずです。
かすれはダメなわけではありません。
良いかすれを出せばいいだけなんです。(そこが難しいんですけど)
線質
絵と書の決定的な違いの一つが「線」だと思います。
線自体が生きているかどうか、ということが
書作品を書くうえではとても大切です。
筆を持ってただひいた線と、
力を込めて書いた線では同じ太さ、同じ長さだとしても全く違って見えます。
それは「プロが見たら」という前提がなくても
誰が見ても同じように全く違って見えるはずです。
書写においては「斜めにおさえる」という点を重要だと教えますけれども、
形はそれできれいに見えたとしても、
その斜めに押さえた線自体に力がなければ
それはただの形にすぎず、線が生きていません。
線を生き生きさせるというのは、
単にスピードを出して勢いをつければ良いということでもありません。
ゆっくりと書いていても力のこもった線は書けますし、
勢いだけに頼っていない分、線に深み、厚みが出ます。
線の厚みというのは説明するのが難しいのですが、
筆を立てて書いているか寝かせて書いているかというだけでも
見た感じがちょっと違ってくるのでぜひ試してみてもらいたいと思います。
.
このように、線の質というのは書作品を作るうえでとても大切なものです。
日頃どれだけ練習を積んでいるか、
これまでどれだけ積んできたかが出やすいところでもあります。
だからこそ、日々の練習においては
形だけを追うのではなく線にまで気を配ってもらいたいと思っています。
投稿日:EDIT”会員ログインページのIDとパスワードを変更しました☆”
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印
昔、ある書道の展覧会に行ったとき、
外国の方の作品の落款が青かったんです。
で、私はそれを見て、青という選択肢に驚いたんです。
私は消しゴムはんこなどを作成するのが好きなので
スタンプ台は茶色や青など色を使っていたのですが
書作品の落款で朱以外の色を使うことを疑問にすら思いませんでした。
ただ、個人的にはやはり朱い色の方が好きだなと思いましたので
カラフルな落款についてはチャレンジすることはないと思います。
.
印泥の色が赤であるのは、
もともとが血が使われていたからだとか、
赤という色が縁起が良かったからだとか諸説あります。
個人的にはその青い落款を観て
モノクロの世界に赤の色は想像以上に映える色なのだと感じましたし、
もしほかの色があったとしても、
現在までに淘汰されたんじゃないかと思うくらい朱の色はきれいです。
.
ところで朱肉の色は、一つではないことはご存じでしょうか。
有名なのは「光明」(こうみょう)、「美麗」(びれい)で、
あと「箭鏃」(せんぞく)というのもあります。
光明は、わりとハッキリした明るい朱色です。
美麗は、どちらかというと深い紅色という感じで、
箭鏃は少し黄色がかった朱色という感じの色です。
お好みですのでどれが良いとか悪いとかいうことではありませんが、
作品のイメージに合わせて選ぶと良いと思います。
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また、印には「朱印(朱文)」と「白印(白文)」との二種類があります。
朱印は文字が朱く残るように周りを彫った印のことで、
白印は逆に文字を彫り白い文字として作った印のことです。
見た目でいうと白印の方が赤っぽいので妙ですよね笑
.
あ、そうそう。
それと、条幅作品の場合、印は基本3か所に押します。
作品の初めの部分と、
名前の後に二つの計3か所です。
作品のはじめのところに押す印は
「関防印」とか「引主印」と呼ばれます。
だいたい縁起の良い文字を彫っている長方形の印です。
名前の後に押す印は、名前の印です。
白印、朱印の順番に上下に押します。
白印の方には氏名または苗字、朱印の方には雅号を彫っている場合が多いと思います。
これは正方形が多いですが、楕円形や竹を切った形など
必ずしも正方形というわけではありません。
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そういえば、昔の有名な書において
やたらと印を押しまくっているのがありますよね。
あれは蔵書印といって
今でも図書館の本の背表紙のあたりに図書館のハンコが押してあることがありますが
あれと同じようなものです。
「私が手にしました!」という一種のステータスのようなものでしょう。
今の本のように大量生産できないので
たった一つしかない宝物を自分はもつことができたのだ、という
ひとつの証拠としておしているものだと思われます。
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いろいろ話しましたが落款って面白いですよね。
印を彫るのも楽しいです。
石は書道用品店へ行けば数百円で手に入りますし、
印刀がなければ昔使った彫刻刀で十分ですので
自分の印を作ってみるのはおすすめです。
無心になれますよ^^
墨
墨汁が普及してからだいぶ経ちました。
私が子供のころにはもう墨汁が主流でしたが、
自宅にはまだ練り墨や固形がたくさんありました。
固形の墨はまだまだ使いますが練り墨って本当に減りましたよね。
存在を知らない人も多そうな気がします。
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墨汁を見て育った人は、「墨は黒い」という認識です。
もちろん墨は黒いんですよ。
材料は、煤、膠、香料です。
にかわを使うので香料は必須です。
墨を作る季節の奈良県では、今でもけっこうにおいがします。
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今は本当にいろいろな墨があり、
色がついているだけでなくメタリック墨など変わったものも存在しますが、
昔は、墨は松煙墨と油煙墨とに分けられていました。
松煙墨のほうは「青墨」といって、少し青みがかっていて、
油煙墨のほうは茶色が混ざったような色です。
墨汁のように濃くしてしまってはよくわかりませんが、
少し薄いとすぐにわかります。
その色の違いで、印象が変わります。
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色だけではありません。
墨の濃さも印象を変える一つの要因になります。
いわゆる「濃墨」と「淡墨」ですね。
これは水墨画を描くときにも用いられますが
書においても濃淡を使って作品を作ることがあります。
濃いと重い印象を受け、薄いと軽い印象になります。
また、たっぷりと墨を含ませるか、
カサカサとさせるかによっても印象は異なります。
表現者の意図がそこに現れます。
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例えば、あなたが作品で「巌」という字を書くとして、
どんな墨を使いますか?
どんな場所にある、どのくらいの大きさの巌をイメージしましょうか。
それによって、選択していけば良いのです。
そして受け手は出来上がったものを見て、自由に想像するのです。
この巌は大きいなあ、とか、年代物っぽいなあ、とか
自由な発想で自由に想像しながら鑑賞すれば良いです。
.
書写の作品において墨は、基本的に黒です。
ただ、その黒い墨をどのくらい筆に含ませれば
自分にとってちょうど良い墨の量になるのか、
あるいは一文字を墨つぎなしで書ききるには
筆のどの部分にどの程度墨を付ければ良いのかを練習します。
筆の先だけに墨を付けても一文字は持ちません。
根本だけに墨を付けると一画目の筆先には墨がありません。
ボトボトにつけると滲んでしまいます。
試行錯誤しながら、墨を調節して書きます。
墨をつけ直しているところはあとで観るとわかります。
調節が上手な作品は、練習量が多い可能性がとても高いです。
そういった点も、鑑賞する時のポイントになります。