県展座談会(愛媛新聞1967(昭和42)年5月4日)

県展の15周年を記念して行われた『県展座談会』の様子です。

参加したのは、

小泉政孝氏、古茂田次男氏、石井南放氏、富野慎一氏と、沢田大暁です。

ここでは誰がどの部分について話したのかが全く載っていないので

大暁の考えがどれなのかというのははっきりとは分かりません。

ただ、三段目の六行目からの部分

『が、芸術の世界には本来アマもプロもない。

 楽しんで描く姿勢こそ大事。賞を目的とせず、

 たくさんの作品の中で自分の作品がどういった位置にあるのか―――

 そうした意味で思い切り前衛的な作品を出品する作家が書道部門などには多い。』

というあたりの意見は、

なんとなく大暁っぽいような感じがします。(個人の意見です)

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あとこの時点で美術館が無いという事実に驚きました。

現在の美術館南館が出来る前は県民館で県展の展示をしていたんですね。

というか県民館を覚えている方がどれだけおられるか…

今の美術館新館があったあたりに昔建っていたなんか丸っこい建物です。

(すごくあいまいな記憶ですがなんか丸かった印象でした)

中には郷土美術館もありましたよね。

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愛媛県の県展は、愛媛新聞社主催の愛媛アンデパンダン展を

引き継いだのが始まり、とあります。

もともとアンデパンダン展(出品した人が全員無審査で展示される)

というものが先にあったのだと分かり、

芸術を自由に楽しんで欲しいという主催者の意図が伝わりますし、

そこから現在に至るまで脈々とアンデパンダン方式が引き継がれていることは

自由に自分の世界を表現するうえでとても大切なことだと思います。

「審査員の目を意識する」ということは

良い時もありますし、そちらにばかり気を取られて

自分の世界を蔑ろにしてしまう危険性も孕んでいる気がします。

単純に「観客の目を意識する」だけの自由な表現を楽しむ機会というものは、

芸術として内面を表現するうえで必要なことだと思いました。

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