競書雑誌『習字』における昇段昇級のシステムについてご説明します。
毎月の雑誌において、自分の名前の上に○がついていたら1つ上の級に昇級します。
また、名前の上に☆がついていたら、2カ月連続でついた場合に1つ上の級に昇級します。
●昇段昇級試験
年に2回、夏と冬に昇級試験があります。
この時には、飛び級をして昇級をすることも可能です。
上級になると難度も高く実力によっては昇級しない場合も考えられます。
そのため当会はハードルが高いというお言葉を頂くことがありますが、
逆に当会で師範を取得した方の腕前については自信を持って保証いたします。
●段位について
愛媛県習字教育研究会では、以下のような段位となっております。
表の上段に上がるほど級が高いようになっております。
一般部・かな部・実用現代文部・一般鉛筆部・ペン部 | 師範 |
準師範 | |
奥伝 | |
5段 | |
・ ・ ・ | |
8級(新規) | |
漢字条幅部・かな条幅部 | 師範 |
準師範 | |
奥伝 | |
天位上 | |
天位下 | |
地位上 | |
地位下 | |
人位上 | |
人位下(新規) | |
学生部・学生硬筆部 | 9段(A) |
9段(B) | |
8段(A) | |
8段(B) | |
・ ・ ・ | |
初段(B) | |
秀級(A) | |
秀級(B) | |
優級(A) | |
優級(B) | |
特級(A) | |
特級(B) | |
1級 | |
・ ・ ・ | |
8級(新規) |
※ 中学部から高校部、高校部から一般部に上がる際に段位が下がります。
※ 中学硬筆部から一般硬筆部に際にも段位は下がりますのでご注意ください。
※ 下がり方については、誌上でお知らせいたします。
●昇級システム
級・段ごとに既定の作品を提出していただきます。
出品要項については競書雑誌「習字」の中で発表させていただくほか、
当ホームページの会員専用ページでも掲載いたします。
出品作品については以下のようになっております。
(例:第140回誌上展昇級昇段試験内容)
受験部門 | 受験段位 | 内容 |
一般条幅部 | 師範の者 | 次の規定文句を半切作品にすること 「緑葉吟風勁」 (緑をなす美しき葉は風吹かれて強い声をたてる) |
師範を受験する者 | 次の規定文句を半切作品にすること 「長日一筒荷葉酒 豊年萬頃稲花香」 | |
準師範以下を受験する者 | 半切随意一点 | |
かな条幅部 | 師範の者 | 次の規定文句を半切作品にすること 「法師蝉近くに鳴きて夕日燃ゆ」(澤田大暁句) |
師範を受験する者 | 次の規定文句を半切作品にすること 「大滝を過ぎて夏身にそほり居(ゐ)て 清き川瀨を見るがさやけき」 (万葉集巻第九の一七三七) | |
準師範以下を受験する者 | 半切随意一点 | |
一般半紙部 | 師範の者 | 次の規定文句を半紙作品にすること 「清逸」 |
師範を受験する者 | イ、次の臨書作品のうちどちらかを選択し、 随意一点 欧陽詢「九成宮醴泉銘」から四文字 王羲之「集字聖教序」から四文字 ロ、次の字句を楷・行・草の三体にそれぞれ 半紙に書くこと 「麦含秀色」 | |
準師範、又は奥伝を 受験する者 | イ、臨書随意一点(出典を明らかにすること) ロ、次の字句を楷・行・草の三体にそれぞれ 半紙に書くこと 「柳結濃陰」 | |
五段以下二段以上を 受験する者 | 次の字句を楷・行・草の三体にそれぞれ半紙に 書くこと 「柳結濃陰」 | |
初段以下を受験する者 | 半紙随意一点 | |
かな半紙部 | 師範の者 | 次の規定文句を半紙作品にすること 「法師蝉近くに鳴きて夕日燃ゆ」(澤田大暁句) |
師範を受験する者 | イ、次の規定文句を半紙一枚に散らし書きすること 「大滝を過ぎて夏身にそほり居(ゐ)て 清き川瀨を見るがさやけさ」 (万葉集巻第九の一七三七) ロ、関戸本古今集の臨書を半紙一枚に書くこと | |
準師範、又は奥伝を 受験する者 | イ、六月号参考手本文句 ロ、関戸本古今集の臨書を半紙一枚に書くこと | |
五段以下二段以上を 受験する者 | 関戸本古今集の臨書を半紙一枚に書くこと | |
初段以下を受験する者 | 半紙随意一点 | |
実用現代文部 | 師範の者 | 次の規定文句を半紙作品にすること 「いのち短し恋せよおとめ 朱きくちびる褪せぬ間に 熱き血潮の冷えぬ間に 明日の月日はないものを」 |
師範を受験する者 | 次の規定文句を楷書一枚と、 行書又は草書一枚に書くこと(二枚提出) 「いのち短し恋せよおとめ いざ手をとりて彼の舟に いざ燃ゆる頬を君が頬に ここには誰も来ぬものを」 | |
準師範以下二段以上を 受験する者 | 次の規定文句を半紙一枚に書くこと 「いのち短し恋せよおとめ 波にただよう舟の様に 君が柔手を我が肩に ここには人目も無いものを」 | |
初段以下を受験する者 | 六月号参考手本文句 | |
ペン部 | 師範の者 | 次の規定文句をペン字用紙に書くこと 「都の塵をのがれ来て今わが帰る故郷の 夕涼しき廣瀬川野ばらの薫り消え失せて 昨日の春は跡もなき岸に無言の身は一人」 |
師範を受験する者 | 次の規定文句を楷書一枚と、行書または草書 一枚に書くこと(二枚提出) 「時をも忘れ身も忘れ心も空にたたずめば 風は涼しく影さえて雲間を洩るゝ夏の月 一輪霞む朧夜の花の夢いまいづこぞや」 | |
準師範以下二段以上を 受験する者 | 次の規定文句を書くこと 「憂きよ思よ一春の過ぎて跡なき夢のごと 苦い涙もおもほへば今に無量の味はあり 浮世を捨てゝおく月の暗に永遠眠らんと」 | |
初段以下を受験する者 | 六月号規定手本文句 | |
一般鉛筆部 | 師範の者 | 次の規定文句を鉛筆用紙に書くこと 「奥山の渓流に霧がこもって岩の間に ミヅが生える。ウハバミとまではゆか ないが大きなシマ蛇がぬらぬら居る。」 |
師範を受験する者 | 次の規定文句を楷書一枚と、行書または草書 一枚に書くこと(二枚提出) 「山の匂いが岩手の町に漂ってミヅは 吸物となり煮びたしとなり何だか知ら ないどろどろな白緑色のソースとなる」 | |
準師範以下二段以上を 受験する者 | 次の規定文句を書くこと 「岩手の人は夏が来ると何よりさきに ミヅを思ひ出す。ぬめりがあってしゃき しゃきしてどこかひいやり涼しくて」 | |
初段以下を受験する者 | 六月号規定手本文句 | |
幼小中学硬筆部 | 六月号規定文句 | |
高校部 | 半紙随意一点 | |
幼小中学部 | 六月号半紙規定文句 |
●昇級試験日程
昇級試験の日程については下記の通りです。
夏の昇段・昇級試験 | 告知 | 雑誌「習字」5月号誌上 |
締め切り | 7月8日 | |
発表 | 雑誌「習字」8月号誌上 | |
冬の昇段・昇級試験 | 告知 | 雑誌「習字」11月号誌上 |
締め切り | 1月8日 | |
発表 | 雑誌「習字」2月号誌上 |
●昇級試験料
昇級試験の出品料については下記の通りです。(※すべて税込み)
※既に師範の者が出品する際は無料です。
受験部門 | 受験段位 | 料金 |
一般部・かな部 | 師範を受験する者 | \3,300 |
準師範又は奥伝を受験する者 | \2,200 | |
5段以下2段以上を受験する者 | \1,650 | |
初段以下を受験する者 | \1,100 | |
実用現代文部・ペン部 | 師範を受験する者 | \3,300 |
準師範以下2段以上を受験する者 | \1,650 | |
初段以下を受験する者 | \1,100 | |
学生部 | すべて1点につき | \550 |
●認定証
昇級した場合、手書きの認定証を発行することができます。
認定証の金額は以下の通りです。(※すべて税込み)
小・中・高校生 | \1,100 |
一般 | \2,200 |
師範 | \5,500 |
※ 認定証は、お電話、FAXまたはLINEから申し込むことができます。